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地平線→メル…夢?


宵闇の森…そこは太陽の照りつける日中においても、いつも仄暗く鬱蒼としている…


その入り組んだ森の奥深くに寂れた教会、そして井戸が佇んでいた。

参詣も途絶え、存在を忘れ去られたはずのその井戸はひっそりと、だが確かな存在感を持ってそこにあった。

まるで存在を誇示するかのように


まるで、イド―本能―がヒトを呼ぶかのように…―――





宵闇に包まれたその教会に一人の少女が訪れた。淡い色の華飾衣を身に纏った少女は疲労からか恐怖からか、息を荒くしつつも教会の裏へとゆったりと、しかし先を急ぐかのように歩を進める。

教会の角を曲がり少女の目に飛び込んできたものは蕾のままの野薔薇に抱かれた井戸。



その井戸を目にした瞬間、まるで吸い寄せられるかの様に一直線にその井戸を目指す少女の瞳には光は無く、ただイドだけが写っている。

井戸の縁に手をかけ、覗き込めば終わりの見えない暗闇。



唐突に、それこそ何の予備動作もなく少女は井戸に≪呑み込まれた≫。




終わりのない暗闇―――






















「イドのソコへようこそ…お嬢さん…」


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