詩集-みんなのうた-七月号(上巻)

□剣心さん
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「そうさ洗浄」



しかし・・・この仕事は長いけど
こんな綺麗な落し物初めてだな
心の落し物って何回か扱ったけど
名乗り出たのは十人
大人の男性四人と大人の女性三人
子供の女の子と男の子が一人ずつ
そして最後の
もう一人は・・・

待てよ、この赤ん坊に間違いない
何故って・・・お前さんにはわからねえのか?
この赤ん坊は可哀相だけど孤児だ
えっ、まだ、わかねえのか?
つまりはだぁ、大人に触れてないから
こんなに心が綺麗なんだよ

じゃあ、子供は?
残念だけど・・・その答えは言いたくねえ
自分で考えろ、それが今後の仕事のテーマだ

あっ、赤ん坊が笑った

屈託の無い笑顔

なぁ、おいっ・・・
俺たちは・・・
汚れっちまったなぁ

先輩・・・きっと赤ん坊の笑顔は
汚れた大人の心も浄化するんですよ

おいっ
なんだか・・・涙が止まらねえやぁ
お前が変な事、言うから
バカ野郎・・・

あっ
泣いちゃったじゃないですか

ごめん、ごめん良い子だから
おじちゃんを許してね

赤ん坊は・・・
不思議と泣き止んだ

 

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