詩集-みんなのうた-六月号(上巻)
□剣心さん
1ページ/1ページ
「一心不乱」
空を見上げながら歩く人と
地を見つめながら歩く人が
同じ1本道で、出遭う
互いに近づき気配を知る
相手が避けるだろうと
その先の視線を外さない
『何処見て歩いてる!』
「そっちこそ何考えてる」
互いに罵り顔を見合わせる
瞼の奥に写し出されたのは
鏡に映った自分の姿だった
真っ直ぐに歩んだ人生のつもりが
真っ直ぐ前を見ていなかった事に
・・・気付かされる
自分の不甲斐なさが上回り
その鏡を割ろうとした拳の
力が抜ける
熱き魂を呼び起こすため
立ち上がり、また前へと進む
今度は、天を突き破って地に貫く
「未」来に向かって心は1つ