詩集-みんなのうた-五月号

□朔さん
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「シルクハット」


別れ際


何度も何度も

手を振る私に


あなたは苦笑しながら

手を振り返した


沢山の人込みの中

あなたの帽子を探す


あなたは知らない


過ぎ行く街を見て

私が泣いたことを


寂しくて何度も

あなたの癖を真似したことを


手を振ったのは

ずっと見ていたかったから


離れるのは

距離だけいい


そう願った

あの日


あなたは

泣いてくれたでしょうか?

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