Short Stories
□Matin pendant
1ページ/1ページ
あさは、きらい
耳障りな音
やけに、清々しい光
今まで心地よい夢に身を任せていたのに、それらのおかげで強制的に呼び覚まされる。
これだから、朝は嫌いだ。
それに、これからがもっと嫌い。
女にとって朝は戦争みたいなもんで、これから風呂に入り、着替える。それから、化粧をし、髪セットして…‥、
…まったく、やること多すぎ。
考えるだけで憂鬱になる。
モゾモゾと寝返りをうつとその際顔にかかった髪をはらうことさえめんどくさくて。
朝なんて、こなければいいのに
朝から、ベッドで横になりながら眉を顰(ひそ)めていると上から声が聞こえた。
「―、――だされ」
ゆさゆさと体を揺らされる。
髪をかきあげながら、ゆっくりと眼を開けると、
「起きて下され、朝でござるよ」
瞳に愛しい彼、幸村の姿が映った
「んー…‥あと、ちょっとだけ」
「ダメでござる。」
優しく、抱き起こされる。
多少、柔らかな布団を名残惜しく感じたが、幸村に身体を預けながら思ったの。
大嫌いな、朝
っていうのは、
これからも、かわらない
でも、まぁ。
こうゆう朝はあってもいいかな
彼に起こされる朝は、ね?
Matin pendant