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□恋の相談、愛の結末
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「私と水谷君、この前テスト勉強一緒にしようって約束して、水谷君の家に行ったの。あ、別に水谷君の家に行ったのはそれが初めてじゃないんだよ。…で、水谷君がお菓子用意してる間、何気なく、ベッドのほう見たら、ね…その…。」
頬をこれでもかっていうくらい真っ赤にして、また言いにくそうにそわそわする。
「えっ…エッチに使うゴム…見つけちゃって…それで、水谷君もそういうことしたいのかなって思ったら、まともに顔も見れなくなっちゃって…」
篠岡さんは思い切ったように、一気にまくしたてた。
エッチに使うゴム、の部分はとっても小さい声で聞き取り難かったけど、それでもニュアンスで篠岡さんが何をいっているのかわかった。
さっきと違って、ここまで入り組んだ話を聞かされるとはさすがに予想できなくて、俺もちょっと慌てる。
「えっと、えーっと…。それ、は…。やっぱり、健康な男の子、としては…そういうのも考えちゃうのかなぁ…」
涙目になりそうな篠岡さんを見て、俺はとっさにそう答えた。
「そう、だよね…。でも私まだ、そういう大人のお付き合い、できそうになくて…」
「水谷君に…したいって言われたり…、そういう雰囲気になったこと、ある、の?」
「水谷君は表にはなにも言って来ないし、2人きりのときも紳士的だよ。…ただ、いつかは私も覚悟を決めなきゃいけないのかなって思って…」
「そっか…」
「それでね、聞きたいことっていうのは、阿部くんと廉ちゃんはどうなのかな?って思って思って…。恋愛の先輩として、何か参考になること、あるかなぁ?」
篠岡さんの質問を聞いた俺は一瞬だけ微妙な顔をしてしまったんだと思う。篠岡さんは慌てて「あ、言いたくないよね。ごめんね、こんな話ししちゃって。」と取り繕って笑った。
「ただ、阿部くんって廉ちゃんすごく大事にしてるイメージあるから…」
篠岡さんからここまでダイタンな話しをしてくるなんて、よっぽど困っているんだな…。
俺はしばらく迷ったあと、誰にも言わないでねと念押しして、俺と阿部くんとのきっかけの話をし始めた。
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