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□恋の相談、愛の結末
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※ミズチヨ前提

日がジリジリと照って、気温がとっても高くなる正午すぎ、俺と篠岡さんは野球部の買出しでコンビニまでの道を歩いていた。「今日も暑いね〜。」なんて何気ない会話をしていると、その流れで篠岡さんがさらりと聞いてきた。
「そういえば廉ちゃんって、阿部くんと付き合ってもう半年以上経ってるんだよね。」
「ほぇ?うん。えっと、去年の冬頃から、付き合い始めたよ。」
篠岡さんから恋愛の話をしてくるなんて思いもしなくて、オレは少しビックリしなら答える。
何でそんなこと聞いたんだろう?と篠岡さんの顔をこっそり覗くと、少し困ったよう笑う。
「あのね、ちょっと聞きたいことがあるんだけど…んー、時間大丈夫かな…?せっかくだから座って話そうか。」
ちょっとだけ休憩、なんて苦笑いしながら座る場所を探す篠岡さんは、いつも時間を守ってきっちり仕事をこなす彼女らしくない態度だと思った。

篠岡さんから「話し聞いてもらう前お礼。」とジュースを受け取って、さっそく木陰のベンチに腰をかける。
「んと、それで、話って…何かな?俺でよければ、なんでも言って?」
いつもは俺が篠岡さんに助けられてばかりいるから、今日はなるべく篠岡さんの役に立ちたい。
「ありがとう、廉ちゃん。」
篠岡さんに少しだけ浮かんだ笑顔に、俺もちょっとホッとする。
「あのね…。えっと、知ってるかもしれないけど、私…水谷君とお付き合い始めたの。」
篠岡さんから告げられた言葉は、ちょっと驚いたけどある程度予想できる内容で、そこまで意外なことではなかった。
「ふぁ。やっぱりそうだったんだ。最近、水谷君、なんとなく嬉しそうだったから…」
俺はここ数日の水谷君の浮かれ具合を思い出してクスッと笑ってしまった。
水谷君が進んでマネジの仕事を手伝ってくれたり、阿部くんに怒鳴られてもヘラヘラしていたのにはそんな理由があったんだ。
「それでね…もう、付き合い始めて1ヶ月くらい経ったのかな。で、つい最近のことなんだけど…」
一瞬言葉が詰まったあと、篠岡さんはゆっくりと話始めた。
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