ほのぼの・甘

□寂しがり屋な貴方に
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「ねぇねぇ、コナツ。絶対アヤたんの帽子からネコの鳴き声したよね。」

アヤナミが出ていったのを確認すると、ヒュウガは自分のベグライターに話しかける。

「ヒュウガ少佐、真面目に仕事して下さい。・・・鳴き声は・・気のせいです。うん、気のせいですよ。」

いつも通りヒュウガを叱ると、鳴き声に関しては、無理矢理気のせいと言うことにしておいた。

「えぇー、絶対アヤたんの帽子からしてたよ。気のせいじゃないよ。」


ガチャリ


「何が気のせいではないのだ、ヒュウガ。」

アヤナミはいつの間にか、戻ってきていた。


「アヤたん、いつの間にって・・・えぇー!!」

ヒュウガはアヤナミのほうに視線を向けると同時に絶句した。

「にゃ・・なっ・・・アヤたん、それは・・・その傷は一体?!」

ヒュウガが動揺するのもそのはず。
なんと、無敵の参謀長官ともあろう御方に傷ができていたのだ。

これには、全員動揺していた。

「あぁ、これか・・・」

にゃーにゃー


アヤナミの軍帽からは、またもやネコの鳴き声がした。

「しばらく、席を外す。」

またもやアヤナミは出て行ってしまった。
そして残されたメンバーは一斉に騒ぎ出した。

「アヤナミ様は、一体誰に・・・」

「ネコだよ、ネ〜コ!それしかないって・・・」

「軍帽には鳴き声機能があるんだ・・・」

「あの軍帽にはやっぱり秘密が・・・」

「あのアヤナミ様のお顔が・・・」

ガチャリ

またもや扉が開きそれと同時に喧騒がピタリと止んだ。
そして、みなの視線が一斉にアヤナミへと向けられ・・・
そして、固まった。
アヤナミの体はひっかき傷で満身創痍だったのだ。

「アヤたん、その傷ネコでしょ?」

「良く・・・わかったな、ヒュウガ。貴様まさか覗いていたのではあるまいな?」

ギロリと睨みつけるアヤナミだが、軍帽から小さなネコの手が覗いていて常日頃の怖さは見事に半減されていた。

にゃー!


元気良くネコの鳴き声が聞こえアヤナミの軍帽から出てきてしまった。
仕方なく、アヤナミは自分の腕に子猫を抱くと満足したのか子猫は眠ってしまった。

「いやぁ〜、アヤたんってかわいいもの好きだよね♪」

ニマニマと笑うヒュウガに制裁が下ったのはすぐのことだった。

*END*
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