ほのぼの・甘
□子供は素直ですから。
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「ふー君、ふー君!」
こちらに駆け寄ってくる子供を胸に抱き上げてあげれば、太陽のな笑みを浮かべる。
ぎゅっと服をつかみ、ふいに目を閉じた子供を不審に思い声をかけた。
「どうしたテイト?もう、お昼寝の時間か?」
ふるふると頭を動かし否定する。
「あのね・・・。ファーザーと同じ匂いがするの。」
!!!!
地味にショックを受けた!!
子供にとっては、何気ない言葉だが、言われた張本人には大ショック!!な言葉だった。
(何だと?!クロイツと同じ匂いってなんだ?たぶん、クロイツは30代のオヤジだぞ?俺はオヤジ臭がするのか??)
頭の中がフルスピードで回転を始めたフラウには、テイトの小さなつぶやきは聞こえなかった。
「カー君(カストル)もラブちゃん(ラブラドール)もおんなじなの。みんないっしょ。」
屈託ない笑顔で、告げるテイトだった。
ーーーーー
しばらく、フラウはオヤジ臭について悩んだ末。
先輩であり、ミドルなバスティンに相談し、久々にお説教された。
そして、その帰り。
ラブラドールにぽんっと肩を叩かれ、振り返ると箱を渡された。
部屋に帰って中をあけると・・・
『−薄毛に悩む貴方へ−ラブ特製育毛剤☆』
一体どこで俺が悩んでいるのを知ったのか?
そして、誰がハゲで悩んでると噂を流したのか?
全く謎なのだが?!
しかし、一言言って置かなければならない。
「オレは、ハゲじゃねぇぇぇー!!」
フラウの叫び声は、教会に響き渡った。
*END*