シリアス・甘
□目覚め
2ページ/2ページ
バァーン!!
勢い良く、扉が開けられ男が入ってくる。
と同時に、ベッドにいるテイトに抱きついた。
「おっはよう、テイト君。アヤたんに何もされてない??」
パシーン!!
「貴様、勝手に入るなと言ったのを忘れたのか?」
すぐさま、鞭を振るってヒュウガを足下に這いつくばらせた。
「うぅー、ヒドいなーアヤたんってば。・・・でも、テイト君やっと起きたんだね!俺は、ずっと待ってたよ☆」
先ほどの感じていた違和感など吹き飛んで、目の前の状況に目を白黒させるテイト。
「あの・・・ヒュウガ少佐。・・・その・・・心配をおかけしてすみませんでした。」
いつの間にか、アヤナミの足下から抜け出したヒュウガは、テイトの頭を撫で始めた。
「いーの、いーの!俺は、テイト君が元気になってくれれば、それでいいんだから。」
何だか、恥ずかしくてうまく言えないけど、ヒュウガに向かって「ありがとうございます」と頬を赤らめて言えば、
「うわぁ〜、超可愛い♪」
と言ってまた、抱きしめられた。
「ヒュウガ、そんなに死にたいのだな。」
アヤナミが、そんな光景を黙ってみているはずもなく手にしていた鞭をしならせてみせる。
「ぎゃあぁぁー?!ちょっと待って、待って下さい。今すぐ離れますから。」
悲鳴を上げながら、すぐさまテイトから離れる。
「ヒュウガ、コナツに言って頑丈な紐を用意しろ。」
「えっ、何々?アヤたん、テイト君と鬼畜プレイでも始めるの??」
突然のアヤナミの言葉に、ヒュウガの思考は変な方向へ働き「起きて早々、大変だね」と呟く。
パシーン!
一つ、鞭が飛んでヒュウガを黙らせた。
「やはり、いすに縛り付けるだけでなくガムテープで鼻と口も塞ぐ必要があるな。それも、一緒に用意しろ。」
「えーっ、ってかアヤたん鼻と口塞がれたら死んじゃうよ。・・・ってか、俺用ですかー!?」
テイトは、いつもの二人の激しいやりとりを笑いながら、見ていた。
それを見てアヤナミも僅かに笑みを浮かべる。
「それじゃ、俺は帰りますね!じゃ、テイト君また明日ね。」
アヤナミの僅かに浮かべた笑みを見てヒュウガは、出て行った。
室内には、テイトとアヤナミのみ。
「まったく、ヒュウガの奴は騒がしいな。」
アヤナミがそう呟けば、クスクスとテイトが笑う。
「本当に、ヒュウガ少佐はおもしろい人ですよね。」
テイトには、微笑ましい光景に見えたらしい。
「それより、体はもう大丈夫か?」
アヤナミは、再度優しく問いかける。
「もう、全然平気です。明日からは、ちゃんとアヤナミ様のベグライダーとしてガンガン働いて行きますよ!」
「それは頼もしいな。・・・だが、明日は早い。もう休め。」
頭を優しく撫でてやれば、「はいっ」と返事をしてベッドに横になる。
それを見届けたアヤナミは、部屋を出て行こうとした。
「あのっ・・・」
シーツで半分、顔を隠しながら言うと、
「俺は、ずっと前からアヤナミ様のベグライダーで、これからも一緒にいていいんですよね?」
アヤナミは、僅かに驚くと同時に自分の側にいたいと言うテイトの言葉に喜びを感じた。「もちろんだ。これからも、私の側にいてもらう。」
誰かに必要とされる喜び、愛される喜びは、こころを満たしてくれた。
*END*