青の祓魔師

□見失いさまよう心
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青白い月が映える背景に二人酒をかわしあう。
「今宵は綺麗な満月ですねぇ〜、奥村君。」
「・・・そうだなぁ。あいつらがいなくなって結構経つのにな。」
薄く笑みをたたえて、杯にある酒を飲み干す。
「・・・そうですね。」
200年以上を生きた生粋の悪魔である自分とは違い。半分は人間である彼にとって
は長い月日を生きることに、哀しみなどを感じているらしい。
「それにしても、本当に久しぶりですよね。いきなり、月が綺麗だから酒盛りし
ようだなんて。私はあなたと違って今でも正十字学園理事長並びに名誉騎士なの
ですよ。」
「んなこと、わかってるよ。ただなんとなーく飲みたくなったんだから仕方ない
だろう。」
「全く・・・

トントン

「どうぞ、入りなさい。」
「失礼します。」
中に入ってきたのは祓魔使の制服をきた青年で、メフィストに何か小声で話して
いる。
「奥村君。あなた今、ひまですよね!」
「断定かよ!!・・まぁ、別に忙しくはないけど〜・・・」
「!?フェレス卿?」
「あぁ〜、大丈夫です。彼も一応祓魔使ですよ。まぁ、貴方が知らないのも無理
はありませんが。」
ノックと共に入ってきた青年は自分と同じかもしかしたら下かもしれない酒を飲
んでいる青年に驚いた目を向ける。
「しっ・・・しかし、相手は上級で。既に何人か。」
「なぁ〜に、大丈夫ですよ。ねぇ、奥村君」
「ったく、しょうがねぇなぁー!んで、場所は?」
「えっと、住宅街から少し外れた森にある一軒家でして・・・」
「んじゃ、行くか。」
「行くって、準備とかは?」
「んなもん必要ねぇよ。コレさえあれば俺はいいんだよ。」
「でも、いくらなんでもそれだけでは・・・」
「大丈夫ですよ。彼は元聖騎士なんですから。」
「・・・聖騎士!?」
「そうです。まぁ、見た目からは全く想像できませんがね。」「いちいち、うる
さいんだよ!もう、行くからな!!」
「ハイハイ、いってらっしゃ〜い。」

ドアがバタンとしまると室内には無音が広がり窓からは月光が降り注ぐ。
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