ほのぼの・甘

□日常行為
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現在、ラグス王国からバルスブルグ帝国へと会談のため空挺で移動中である。

国王は、最上の部屋に一人こもって執務中である。
そして四人の腹心の部下たちは全員揃って同じ部屋にいる。


・・・。

沈黙が支配する空間にぼそぼそとした会話が始まった。

(マルク、なんで王子はクロイツ殿に抱っこされてここにいるんだ?)

腹心の部下である、マルク、アガス、カランの視線は最後の一人クロイツに抱っこされてすやすやと寝ている王子へと向けられていた。

(カラン殿が聞いて下さいよ!)

(嫌だよ。・・・じゃあ、アガスが聞いてみろよ。)

(なんで、私が・・・ここは、やっぱりマルクでしょ!!)

(・・・二対一で決まりだな。)

(わかりました。聞きますよ!)

マルクは渋々と承諾し、本を読んでるクロイツに話しかける。

「あのぉ〜、クロイツ殿?」

「何ですか、マルク殿?」

クロイツは読んでいた本をパタンと閉じ、マルクに笑顔で応じる。

「今日は、会談に行くんでしたよね?」

「当たり前です。他に何をしに行くんです?マルク殿?」

クロイツは、何を言い出すのかと苦笑を浮かべる。

「ははは、そうですよねぇ。・・・もう一つ質問してもいいですか?」

ごくりとつばを飲み、本題へと入った。


「なんで、王子がここにいるのですか?」

「はいっ?マルク殿?もう一度、言っていただけますか?」

クロイツの鉄壁の笑顔がぴしりと固まる。

「いえ・・・あの・・・何故、王子がここにいるのでしょう?」

クロイツは完全に沈黙した。

「・・・うにゃ。ふぁーざー・・?」

目を擦りながら、可愛らしくあくびをする王子。
そして、クロイツの顔は笑顔のまま一瞬にして青ざめた。
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