シリアス・甘
□守ってやりたい
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ぽつんと目立つ姿があった。
とても淋しそうな小さな背中だ。
「テーイト!!何、読んでんだ?」
急に声をかけたと言うのに相手の反応は薄い。
「・・・また、お前か。何だって俺に話しかけてくるんだ?」
俺の前にいる小さい(口にだすと殴られる)やつは、ルームメイトであるテイト=クライン。
いつも、他人を寄せつけない雰囲気を意図的に出している。
が、容姿が端麗で人目を引くため効果は薄い。
特に翡翠の瞳は、全てを見通す透明感があると同時に深く引き込まれそうでもある。
相反するものを持つ瞳。
そんな瞳に俺は惹きつけられてしまった。
「お前とダチになりたいんだよ。」
そういうと決まって眉をしかめるが気にしない。
いつものことだ。
「俺はダチなんていらない。お前も俺に関わるとハブにされるぞ。」
わかってないな、テイトは。
ハブにされる?
そんな些細なことより、俺はお前の綺麗な翡翠の瞳が輝くところをみたい。
そのためなら、何でもする。
どんなことにも耐えられる。
「んなこと気にすんな!!」
明るく言って笑いながら、肩を叩けば頬を染めつつ呟く。
「変なやつだな。」
いつか、本物の笑顔をみたい。
輝く瞳をみたい。
それが、俺の夢・・・
生まれ変わっても側にいたい。
守ってやりたい。
*END*