青の祓魔師

□落し物の在り処
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「うぉ〜い、メフィス、とぉ〜!?」
ノックと共に部屋に入れば、部屋のメフィスト・フェレスが萌えと描かれた少女
の姿がプリントが浴衣姿でポーズをとっていた。
「お前、なんつー格好してんだよ!!」
「失敬な!これは限定商品でプレミアものですよ。全く、この素晴らしい価値が
わからないなんて・・・」
「あぁー、それよりよぉ。行ってきたぞ。」
「ご苦労様です。で?」
「で?」
「その子供は何です?」
「あぁー、こいつだけしか助けられなかった。」
「まぁ、仕方ないでしょう。と言うより一人だけでも助かったのはあなただから
です。・・・それにしても」
メフィストは子供に近づき顔を覗き込む。
「似てますね。」
「やっぱ、お前もそう思うよなぁ。しかも、名前も雪男だって言うんだぞ。」
ジロジロと不躾な視線を向けてくるメフィストから雪男は燐の服に顔を伏せる。
「それにしても、随分懐いているようですねぇ。どうするんです?」
「どうするも何もさっきのやつが本部に連絡したらこっち来るって言ってたから
、たぶんそん時に連れて行くんじゃねぇ?」
「そうですか。じゃあ、彼が戻ってくるまでですね。」

しばらくして先程の祓魔使が戻ってきた。

「ありがとうございました。いろいろと。じゃあ、雪男君行こうか。」
男がそういえば、雪男はまた燐の服を掴み離さない。
「これはまた・・・。とても懐かれてるようですねぇ、奥村君。」
「懐かれてるのか?でもなぁ〜・・・」
などと燐め困った様子で首を傾げている。
すると雪男は掴んで服を引っ張った。
「あのっ、僕・・は・・・」
そこまで言ったあと雪男は黙り込んでしまった。
「う〜ん。奥村君!あなた、今付き合ってる方はいるんですか?」
「んっ?突然、なんだよ。いねぇよ。・・・つか、厭味か。それっ!!」
「それは、よかった。」
「いや、よくねぇーよ!!」
「まぁまぁ、じゃ雪男君は奥村君が預かりますので。」
「えっ、はい。了解しました。」
「では、報告は終わりです。」「終わりって、ちょっと待て!雪男はどうすんだ
よ。」
「今言ったでしょう?もう忘れたんですか?」
「忘れてねぇよ!でも、預かるって俺が?」
「別にいいじゃないですか。付き合ってる女性がいるわけでもないんですから。

「で、・・・でも、よぉ〜・・・」
「・・・恐いのですか?」
燐の肩がびくりっと上がる。
「恐い?・・・俺が?」
「そうです!!」
燐の顔に指をつけ、メフィストは続ける。
「今のあなたは、人との接触を避けている。それは、人と出会えば必ずその先別
れ、死が待っているから。だから、あなたは祓魔使、聖騎士を辞めた。違います
か?」
燐の顔が怒ったような泣いたようなどちらもつかないように歪み開いた口は震え
言葉を紡ぐことができなかった。
「まぁ、今日のところはもう遅い。帰りなさい。」
燐は雪男と手を繋ぐと今も住み続けている正十字学園旧男子寮に向かって歩いた

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