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□ネオン街の出会い
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「ねぇ、君達の名前は?」
「ラビっす!」
「ティキです!」
「それじゃぁ……」
「「「乾杯〜!!」」」

(うぜぇ……っ!!)

ネオンが光り輝く夜の街、化粧と香水を身に纏った女性達が働いている『crimson rose』で青年3人(1人は除く)が騒いでいた。

ラビと名乗った青年は右眼に眼帯をし、人懐っこい表情で女性達に笑いかけている。

ティキと名乗った青年は大人びた雰囲気を纏い、こちらは妖艶な笑みを見せている。

最後の1人は名を神田と言い、2人同様女性達に笑顔を見せて………いなかった。

眉間に皺を寄せ、端整な顔を嫌そうに歪ませていて、腕と脚を組んで座っている。

はっきり言おう。

今日の神田は非常に機嫌が悪い。

数多くの女性達の中でも、キツい香水の匂いを纏い、媚びる様な視線を投げ掛けるタイプの女性が特に大嫌いな神田。

現に今もお酒を勧める女性を一瞥し、『いらん』や『俺に構うな』と切り捨てていて、しつこい女性に対しては完全無視で相手にしない程。

そんな神田が何故こんな所にいるのかと言うと、話は約1時間前に遡る―――。
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