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□お酒の御陰
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午後7時過ぎ、2週間以上の長期任務を終え、神田は室長室に来ていたが、部屋には誰もいなかった為、先に食事を済ませようと考えて自室へと戻ってきた。

「ったく、科学班共!誰もいねぇとはどうなってやがる!・・・チッ、腹減ったな」

ぶつぶつと文句を垂れる神田だったが、如何せん腹も減っているし、任務帰りで疲れている為怒りはすぐに治まった。
がしがしと前髪を掻きながら溜息を吐いた後、食堂へ向かったが、其処で目を疑いたくなる光景が飛び込んできた。
それは・・・

「あぁ〜!かんらっ、おかえりなしゃい!」
「なっ//テメッ離れろモヤシ!」
「い〜や〜れ〜すぅ!かんらは僕の事がきらいなんれすか?」

いつも賑やかな食堂は酒の臭いが充満し、どんちゃん騒ぎで騒々しくなっていたからだ。
しかも、顔を赤くしたアレンが呆然とする神田を見つけた瞬間、飛びつくように抱きついてきた事に神田は焦って引き離そうとした。
が、しかし。
アレンは神田の腰に手を回して離れようとしない。
極めつけは頬を赤くし、目をうるうるさせて見上げてくるアレンに、神田は好きだと即答しかけたのだが・・・

(っ//モヤシは男、モヤシは男・・・)

神田は理性を保つ為、自分に言い聞かせた。
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