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□平和になった世界へ
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「皆、今日まで頑張ってくれてありがとう。永かった戦争がようやく終わった。君達は明日からの平和な世界を、家族や大切な人々と生きてほしい。今日を以て、黒の教団を解散します」

真面目な雰囲気で戦争終結宣言をするコムイ。
今日の大聖堂には、教団に属する全ての人々が集まっている。

「まだ成人を迎えないまま最後まで最前線で戦って、命を懸けて勝利に導いてくれた神田くんとアレン君に。そして、探索隊の皆に黙祷を・・・。」

生き残った人々は皆、胸の前に左手を置き、目を閉じて俯いた。
中には、哀しみを堪えきれずに涙を流し続ける者も。
もちろん、リナリーも・・・。

「ヒック・・・神田、アレン君・・・」
「リナリー・・・」

教団最年少臨界者の少女、14番目の宿主として、とても年下とは思えない程苦労を重ねてきたアレン。
そんなアレンに神田と言う大切な恋人が出来て、ようやく幸せが訪れたと思った矢先の死。
戦争終結と同時に、イノセンスが光の粒子となって空に消えていった事で、イノセンスによって辛うじて修復していた心臓の穴から血が溢れ出したのだ。
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