novels
□白い彼女の甘え方
1ページ/8ページ
深夜の肌寒い船着場に人影が1つ。
ご存じ、教団で1、2を争う程の美少女であるアレンウォーカーだ。
何故彼女がここにいるかというと、話は数時間前に遡る。
――――――
「ただいま戻りました〜!」
「おかえり、アレン君!」
任務を終えて室長室にやってきたアレン。
所々埃で汚れているが、目立った外傷もなく帰還したアレンをコムイが迎えた。
「あの〜、コムイさん・・・」
「うん?神田君ならまだだよ?」
「なっ///!まだ何も言ってないじゃないですか!」
「またまた〜!顔に書いてあるよ?」
コムイは楽しそうに、神田君ってば、愛されてるねぇ?とアレンをからかっている。
アレンは顔を真っ赤にして弁解するが、全く説得力が無い。
「やめてくださいよコムイさん!」
「あはは〜、ごめんごめん!」
羞恥でか、うっすらと涙を浮かべるアレンに、コムイは少し慌てて謝った。
報告書を渡し、部屋を出ようとするアレンに聞こえるように一言。
「あぁそうだった!神田君、あと少しで帰ってくるんだっけ?」
その言葉を聞いた瞬間、アレンは目にも止まらぬスピードで走り去った。
――――――
それで今に至るのだ。