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□small panic
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夜中の1時を過ぎた頃、神田は不機嫌なオーラを漂わせながら廊下を歩いていた。
現地に向かったものの、イノセンスは無く、代わりにレベル1のアクマが多数いただけだったので無駄に疲れただけの任務だった。
(コムイの野郎ハズレなんざ寄越しやがって・・・いつかぶった切ってやる)
等と考えていると室長室からリナリー、コムイ、ラビの慌てたような声が聞こえてきた。
しかも、聞き慣れない子供の泣き声も混じっている。
神田は内心で舌打ちしながら室長室の扉を開けた。
「あぁ!ユウちゃん、いい所に!早くこっち来るさ!!」
「あ゙ぁ?ファーストネームを口にすんじゃねぇよ。刻むぞ馬鹿兎!!」
ラビの台詞にいつも通りの展開で六幻を抜刀する神田を子供を抱いたリナリーが止めに入った。
「神田!ラビは後でいいから、早くアレン君を泣き止ませて!」
「あ?モヤシ?いねぇじゃねぇか。それに、何だそのガキは」
リナリーの腕の中で泣き喚いている子供を指す神田に、コムイから衝撃の一言が放たれた。
「その子がアレン君だよ?」
「んだと!?テメェ!またモヤシに何か飲ませやがったな!さっさと元に戻しやがれ!!」
怒りに身を震わせながら六幻をコムイに向ける神田。
怒りの臨界点を突破しかけている神田にコムイがトドメの一言。
「え〜?無理だよ!解毒剤は作ってないし、試作品はアレン君が全部飲んじゃったからね」
ブチッ!
「死ねぇぇぇ!!!」
にこやかに言ったコムイを、キレた神田は容赦なく切りつけて粛清した。