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□small panic
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コムイをボコボコにして少しスッキリした神田は未だ泣き続けるアレンと、アレンを宥める2人に目を向けた。
「んで、モヤシをどうしろって?ガキの子守なんざした事ねぇぞ俺は」
「簡単よ!アレン君を抱っこしてあげて!私達じゃ嫌がるのよ」
あまりの泣き声の大きさに顔をしかめる神田に泣いているアレンを突き出した。
すると・・・
「ふぇっ?・・あぅ・・・らっこぉ!」
「チッ!ほら、こっち来い」
さっきまでの騒ぎが嘘のように鎮まり、神田に手を伸ばして抱っこをせがむアレン。
リナリーの腕から抜け出そうとするアレンを受け取ると、安心したのか神田の団服を掴み、そのまま眠ってしまった。
「あ〜ぁ。やっぱりユウちゃんには懐くんさねぇ」
「ガキになったモヤシにも拒否されたからって僻んでんじゃねぇよ馬鹿兎。それに、ファーストネームで呼ぶ、なっ!」
「ぐふっ!」
右ストレートを鳩尾に入れられ、悶絶するラビを冷ややかな目で見下してリナリーに向き直った。
「じゃあな。俺は部屋に戻るからコムイにハズレだったと伝えろ」
「はいはい。アレン君をお願いね!」
「あぁ」
リナリーの言葉に一言だけ返事し、神田は室長室を後にした。