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□城壁の中の姫
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「皆の者ー!神田殿が長期任務に向かわれたぞ!」
「「「いよっしゃあぁぁ!!!」」」

探索隊のリーダーらしき人物がマイクを片手に声を張り上げた。

その声に呼応するように、その場にいた他の探索隊達も雄叫びを上げる。

中には、喜びのあまり涙を流す者も。

「神田殿とアレン殿が付き合い始めて早半年、神田殿の城壁の如く固い守りがあって今までアレン殿に近付けなかった・・・!」

天を仰ぐように天井を見上げながら力説するリーダーに、隊員達はうんうんと頷いている。

「だがしかし!神田殿はつい先程長期任務に向かわれた!このチャンスを逃さずと2度とアレン殿に近付けないと思え!」
「「「うおぉぉぉお!!!」」」

この教団内で設立された

『アレン姫を神田から取り戻し隊』

その会員達が一同に集結しているその理由は、神田が長期任務にいった事でアレンへの障害がなくなったからだ。

全ては神田が帰還するまでの2週間の間に、少しでもアレンに近付く為。

帰還した神田に命を刈り取られるのを覚悟の上で、探索隊は行動し始めた。
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