パラレル

□闇夜の蝶は空を舞う
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それは…、あまりに綺麗だったから…






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『…お前は独りなのか?』


『違うよ!お父さんと来たんだけど…』

『……けど?』


『私が綺麗な蝶々を見つけて追い掛けてたらはぐれちゃった…』


『……帰りたいか、父親のもとに』


『うん!でも道がわかんないし…、暗くて怖いし…ふぇぇ…』


『泣くな、我が輩が父親のもとまで連れていってやる…』


『ぐすん…うぅ、ほ、ほんとぅ?』


『我が輩嘘はつかん』


『……うん、ありがとう…!』













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『あ、お父さんだっ!!』


『……』


『ありがとう!私ヤコって言うの!お兄さんは?』


『我が輩の、名』


『うん!お名前なぁーに?』


『………再び逢うときが来たら教えてやる』


『えぇー…、今が良いよー……』


『……ほら、父親が来たぞ』


『あ…ホントだ!またねっ』


『…逢えたらな』


あの時見た蝶は、漆黒の空をまるで星のように翔んでいました



今よりちょっと昔のまだ空が星で照らされていた時の物語
 

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