N o v e l -short-
□レディーファースト
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−13時−
「…あれ?」
いつもなら、この頃の時間になると特性ドリンクがやってくるのに。
…間違えた、やってくるのはサンジ君か。特性ドリンク持って。
「あ…」
「ロビンちゃ〜〜ん!!そろそろ喉渇いただろう?今日も特性ドリンク持ってきたよ!」
「あら、ありがとう」
バチ、と目が合った。
するとサンジ君は、眉を下げながら困ったような顔をして、何度か足を行ったり来たりさせながら。
散々悩んだ末にトレイに乗せた特性ドリンクを持って私の方へとやってきた。
「ナミさん、ドリンク、飲む?」
「飲むに決まってんでしょ。」
「だよね、よかった」
「言葉遣い」
「…はい。」
うん、やっぱり美味しい。
−15時−
「野郎共!!おやつだ!!」
「うおーーっ!!」
もうこんな時間か。サンジ君の大きな掛け声に、海図を描いていた手を止めて上に伸びる。
「んーー…っ」
今日はどんなおやつかしら。みかん使ったものだと嬉しいけど。
「…はぁっ」
…遅くない?
「おやつは、おやつ…」
って私は食い意地張ってる子供か。もう少し待とう。
チク、タク、チク…
「…遅い。」
掛け声があってから、もう20分も経ったというのに、コックが部屋へと運んでくる様子は無い。
「…もう!」
しびれを切らしてキッチンへと向かった。
向かう際に、甲板で本を読みながら優雅におやつを食べるロビンの姿。
…ちょっと!
「私のは!?」
バン、と勢いよく扉を開いたと同時に発した私の言葉。
「なんだナミィ〜、んぐ、美味えぞ!そんなにおやつ楽しみにしてたのか?にししっ」
一気に視線が自分に集まった後、ルフィがそんな馬鹿げた事を聞いてきた。
「違うわよ!あんたと一緒にしないで!」
「もちろんあるぜ、ナミさんの分はここ。少し時間は経っちまったけど、美味しさは逃げてねえ。」
あ、ちゃんとみかんのおやつ。
「なんで運んでこないのよ」
「…いつも野郎には運ばないけど?」
「…あ。」
…そういう事。
「なんだお前ら、喧嘩してんのか〜?」
「ルフィうるさい!」
「おやつ食わねえなら、おれが貰うぞ!」
「ああ!ちょっと、これは私のー!」
取られないように、しっかり口の中に詰め込んだ。
ロビンとは大違いな食べ方ね…。
…くそ、やっぱり美味しい。