N o v e l -short-
□真っ直ぐに君を見つめて
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「な…ナミさん俺のこと心配してくれてるの〜っ?v」
さっきまでの哀愁漂った雰囲気はどこへやら、途端にいつもの軟派な顔に戻ったこの男。
「仲間なんだから、心配くらいするわよそりゃ」
ほんと、心配なのよね。
「こんな夜中にこんなところでどうしたの、何か悩みごと?」
けどあんたは一筋縄じゃいかなそう。
素直に言ってくれればいいものの。
「ナミさんこそ…こんな時間にどうしたの?」
ほら、そうしてはぐらかす。
「私は日誌書いてたの。ちょっと遅くまでかかっちゃってね」
「言ってくれれば飲み物くれェ持ってったのになぁv」
「朝から晩まで忙しいうちのコックさんを叩き起こしてまで働かすわけないでしょ」
「ナミさん…優しいv」
「で?その睡眠時間削ってまでここで何してるの?」
聞くわよ。はぐらかす天才さん。
「何でもないよ、ただ今日は寝付けないだけなんだ」
「サンジ君、たまにこうやって夜中にふら〜っと甲板出てきて何か考え事してるでしょ」
「………夢見が悪くて」
「どんな夢?」
「……ナミさん、カウセリングみてぇ」
容赦のない問い詰めにこの悩めるコックは苦笑気味。
まったく、もう…
「仲間なんだから、遠慮なんかせずに吐き出しちゃいなさいよ。
それとも私じゃ頼りにならない?」
わざと貴方が弱い台詞を使ってやって。
そしたら参った、といった表情を見せては重たかった口を開き始める。
ほんとにもう、時間がかかるったら。