N o v e l -long-

□First Love -それでも、好きで。-
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神様なんてものは、願っても居ないもので。

朝起きたら、ぜーんぶ夢でした…なんて事あるはずもなく。

そこにあるのは、ぐちゃぐちゃな髪の毛、泣きはらした酷い顔、着崩れた衣服を身にまとった私。

――昨日の記憶。


「…朝食の時間過ぎてる…」


行きたくない。行っても気まずいだけ。

サンジ君の顔は見れない、ロビンにも会いたくない。
ルフィには泣き顔見られちゃったから、きっとみんなにもそれが伝わってる。

…どうしよう…。


コンコン


「!」

「…ナミさん?」

サンジ君の声。

会いたくない…っ

「入るよ」

今の顔、見られたくない…

「……朝食。持ってきたんだけど。」

「……」

「なかなか顔出さねえからさ。」

「……」

「こっち向いてよ?」

「……」

「……何か悩みがある時って、食いもん喉通らねえと思うし、お粥。」

…こいつは、全て知ってて。

「…じゃあ、俺は、」

「サンジ君」

どうしても聞きたい事がある。

「…何?」

出て行こうとしたサンジ君を引き止めた時の、自分の掠れた小さな声に驚いた。

「ロビンが…好き、なの…?」

こんな状態を見られた上に、発した声も情けない。
その上質問までもがこんなにかっこ悪い。
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