―BL―
□愛するが故に
2ページ/8ページ
「……何の用だ」
玖蘭枢が俺を一人で呼び出すなんて、その理由は大体決まっている。
知りたくなくても、嫌でも分かりきっている。
「…よく来てくれたね…」
だけど
そのたびに俺はあんたを憎らしく思うよ。
なんでだろうな…
いや…既に自覚はしている…
でも、そんなことを自覚して良かったことなんて何一つない。
知らなければ良かった
何も知らずに
過ごしていれば良かった。
「あんたが呼び出したんだろ」
「クス…そうだったかな…」
なんなんだ…
用があったから俺をこんなところまで呼び出したんじゃないのか?
わざわざ…自分の部屋に…………。
「……そんな顔しないで欲しいな。用件ならちゃんとあるよ…」
.