―BL―
□甘い誘惑―tempt―
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君はこのままではそう近くない未来レベルEに堕ちてしまうだろう。
僕の血を飲めば狂気の陰も遠のける――
『!?…何を…ッしている…?』
枢は自らの手を切りつけた。
『君もわかっているだろう?僕の血を飲めば、君を苦しめるその苦痛からも、倦怠感からも逃れる事が出来る――
ただ、僕の血では本当に君を救うことはできないけれどね…』
『…いらない…やめろ』
そうだね。
君ならそう言うと思っていた。
僕は君を死なせたくない。
だから純血種という身でありながら自らの血を与えて君を生かそうとする。
君を、愛しているから。
けれど僕は、君を見るたびに
君を、君の血が欲しいと思う。
自然なことだろう?
愛する相手の命の源を欲することなんて。