□幸せな時間
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これは、もしものお話…。


吸血鬼だって、人間と同じ時間を過ごすのですよ…?




――――…







まだまだ夜の余韻が残る朝方――…





早起きな小鳥のさえずりに、目の前には濃い霧がかかっている。


風はなく、聴覚だけがその世界を映し出す。



吐いた白い息が霧の中へ溶けて消えた。

辺りには静寂な空気がまとい、心を落ち着かせてくれる。




薄手のワンピースに軽く上着を羽織っただけじゃやっぱり寒すぎたかな…


優姫は上着をきつく引き寄せると足早に来た道を引き返す。






.
続く…
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