BOOK2-テイルズ-

□喧嘩
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ムカつく…。
また喧嘩しちゃった。
何でいっつも屑屑ゆーんだよ、確かに屑かも知んないけどさ。
あ゙ーもやもやする。

「よぉルーク」
「ガイ…」
「何浮かない顔してんだよ。またテンション下がってんのか?」

当たり前だろ!

と心からルークの叫び。

「だって、宿とかで会っても無視するっし…うぇっ、ひくっ…」

ルークは何時の間にか泣いていた。
手や腕でごしごし擦っているうちに、どんどん顔が赤くなり涙と鼻水でぐしゃぐしゃになって行く。

あれ、何で泣いてんだろう俺…。

「…ルーク、気持ちは分かるがアッシュはナタリアを…」
「!…っ嫌だ嫌だ!そんな言葉、聞きたくない!」

ルークは必死に首を振った。

何で、何で何で。
何で嫉妬してんだ俺。
レプリカは被験者を好きになる様にでも出来ているのか?

「…」

これ以上駄目だと言う顔をしながら、ガイは俺の頭を撫でてくれた。

「ごめん…有難っ…ガイぃ…」
「ははは、どっちだ」

ナタリア以外でも…他の奴等が仲良くしてんの見ると胸がキューと締め付けられる…。

「ガイ…頼みがあるんだ」
「何だい?ルーク坊ちゃん」
「ははっちょっとだけ、一人にしてくれないか?」

ごめんな、ガイ…心配ばっかりかけて。

「…はいよ。ルークがそう言うなら、仕方無いな」

そう言い残すと、ガイは宿の個室を出た。

「はーあっ」

ルークは溜息一つつきながらベットに横たわった。

…アッシュ…。

考える事はアッシュばっかり。

もうどうなってんだこの頭。

「誰にも渡したくねぇ…」

ほろりと出たその言葉。
ルークは段々と眠くなり、枕を抱き締めながら深い眠りについた。
布団もかけずに。
刹那、ルークが寝ているすぐ側の窓が開いた。
桟に捕まり、怪しい人影が入る。

「ったく屑が…」

アッシュだった。
アッシュは寝ているルークに近寄り頭を撫でた。

「んっぅん…」
「ちっ、起きんな屑が」
「あっアッシュ!?」

突然人気で飛び起きるルーク。

「…」
「…」

こっ…沈黙こんなに続かせんなよな。

「あっあの!アッシュ!」
「何だ?」
「…何で此処に居るんだ…?」
「お前が呼んだんだろ」
「きっ聞いてたのか!もう、内緒で回線繋げんなっつったろ!?」

はぁ、と溜息を何回もつくルーク。

「はん、そうかよ。じゃあ俺は帰るぜ」
「っ…」

ふんと布団を被るルークにアッシュは横目で見た。
アッシュは来た所から一瞬にして飛び降りた。

「っ…馬鹿ぁ…」

再び泣き出す俺。
もう何が何だか。
また会えるなら、今度はもっと素直になろう。

ルークはそう心に誓った。

*エンド

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