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□春それは・・・「出会い」の季節
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「好きです。」
今日私「杉浦理子」は「告白」ってーのをされました。
まぁ初めてではない。
というか今まで何度となくされてきた。
・・・まぁこんなストレートなのは初めてだけど・・・

でもあの「好き」が「君の事を何よりも愛してる」の類の「好き」なのか「君の事カレーと同じくらい好きだ。」なのかは分からない。そして彼がカレー好きなのかも分からない。

私「杉浦理子」は身長142a 体重・・・(レディにこういうことは聞かないの!!)`の高校1年生。でも早生まれだから15歳。
こんな高校生・・・にしては・・・み、みにまむサイズなorz・・・な私は何故こんなにモテるのだろうか。
ロリ?・・・私は自分でいうのもアレだが結構大人顔のほう・・・なはず。
じゃぁ・・・やっぱりわかんない。

「何百面相してんのさ」
ふと顔をあげると優しげな笑顔を浮かべた結構高身長で痩せ型な男子が。
「・・・ギャッ!?」
そう彼こそが私にストレートな告白をした当の本人。
「え゛!?『ギャッ!?』!?ごめん!!」
・・・結構ヘタれなヤツのようだ。
「別に・・・?何の用?こんなとこ呼びつけて。」
【今日の放課後桜の下で】とかいう謎の怪文章で私はコイツに呼び出された。・・・まぁ用は何か分かってるけどここで惚けるのが私流・・・嘘だけど。
「やだな。知ってるくせに」
ヘラヘラしてるくせにカンは鋭い。
「だから何?」
でもここで折れる私じゃない。
嘘でも何でも突き通します。
「だからさ。さっきの答え。」
まだヘラヘラしてる。
でも・・・私の中にあるひとつの疑念。
コレがあるかぎり私は簡単に人にyesということが出来ない。
・・・それもこれも私がこんなにモテるからなんだけど。

前、同じように告ってきた男子。
コイツとは付き合ってて、それから告白・・・って感じだった。
その男子はサッカー部の首相で超イケメン。身長も高く、成績も優秀。絵に描いたような文武両道男だった。
そんな男子が何故私に告ってきたのか、すごく気になって私は聞いた。

「じゃぁさ。」
今でも残るしこり。ココロに残るトラウマ。
これらが私を押し留める。
「アンタは何で私のこと好きなの?」
ソイツは目を見開いた。

あの時アイツはいった。
『はぁ?・・・ったく素直にハイとか言っとけよ。そんなもんねぇよ。だって俺メンクイだし。』
私はソイツをブったたき家へ走って帰った。

ソイツは答えた。
「・・・なんで・・・?」
もう一回小さくでも強くたずねてみる。
ソイツは小さく息を吸って答えた。
「ドコかって?・・・うーん・・・うまくはいえないけど『全部』かな?」
「全部?」
よくそんなこっぱずかしいこと真顔で言えんなコイツ。
でも私は気づいた。

「ダ、ダメかな・・・?」
私の胸のうちを知ってか知らずかソイツは小さな弱々しい声でたずねた。
「・・・うん。ダメ。」
目の前にあった肩がおもしろいくらいにしぼんでいく。
「・・・そっかぁ・・・」
「うん。全部なんかじゃダメ。足りない。」
「え?」
そう。私はただ・・・自分だけを見て欲しかったんだって。

「全部。じゃなくて、『運命』とかかっこいいセリフで答えて欲しかった。」
「・・・ッ・・・アハハハハ!!そっか。ゴメンね。」
「まったく・・・もぅ。」
ふくれっつらをしてみせているが私は笑顔だった。

「じゃぁ改めて。理子さん。あなたが好きです。付き合ってください。」
「・・・私でよければ喜んで。」
「よろしくね。理子さん。」
「さんなんて要らない。呼び捨てでいいよ。湊。」

私は笑う。彼も笑う。

満開の桜とオレンジ色の空の見守る中、長く伸びた2つの影は強く強く手を握っていた。

fin・・・・
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