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□伍千打記念
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ケーキにプリン、ドーナツ、チョコレート
甘いものは本当に好きだぜ。
けどたまには違う甘さも味わいたいっていうのが本音。
チョコより甘いキスをして
「ということでキスさせろぃ」
「全く意味が分かりません」
久しぶりの二人だけの時間。
お互い学校が違うからしょうがないんだけど沢山一緒にいたいってのは当たり前だろぃ。
なのに日吉ときたら俺の横で勉強中。
…テスト期間中に来た俺が悪いんだけどよ。
でも話しかけても適当な返事で、問題集と見つめ合うって俺の立場がないだろ!
「なー日吉、かまえー」
「知りません」
「ならキスさせろぃ」
「…」
ふざけるなとでも言いたげな顔をして俺を見てくる。
目が恋人に向けるものじゃないだろ、うん。
けどそんな怒った顔も可愛いと思ってしまう俺はもう日吉に骨抜きにされてるのだと思う。
本当につまらなくなったから日吉の後ろに行き抱きつくように寄り掛かった。
邪魔するなと言ってくるけど知らない振りをする。
首もとに顔を埋めると甘い匂いがした。
俺の好物のお菓子とはまた違う甘い優しい匂い。
その匂いにくらくらと酔うような感覚になる。
そのまま吸い寄せられるかのように日吉の首筋を舌で這わせるとひゃっ!と短く声を上げて俺を睨み付けてくる。
やべっ!
俺から見れば上目遣いだから!
てかひゃって可愛すぎだろ。
「何するんですか」
「あー何て言うか甘いものが食べたくなった」
「さっき食べてたじゃないですか。というより俺を舐める必要ないですよね」
「いや、だってお前甘いんだよ」
頬に軽くキスすると日吉は頬を抑えて顔を真っ赤にしている。
口をパクパクして金魚みてぇ。
けどやっぱり菓子のような甘さじゃなくて優しい甘さ。
なんかドキドキする。
「なぁ、キスしていいだろぃ?」
「なっ!何言ってるんですか!!」
「だって好きだから」
「……///」
俯いて顔を隠そうとしているみたいだけど耳が赤いから丸分かり。
本音何でこんな可愛いんだか。
顎に手をかけて掬うように顔を上げさせた。
「いいだろ?」
「…ッ勝手にすればいいじゃないですか」
了解!
好きにさせてもらいます。
額に軽く唇を押し付けて、瞼、鼻先、頬と順番にキスをする。
どこも甘い匂いがして堪らない。
唇にくると日吉がピクッと反応するのが分かった。
啄むように何回もして唇を舐める。
驚いたように口を開けた瞬間、舌を滑り込ませた。
貪るようなキスをすると日吉から小さく声が漏れてきた。
堪らなくなり舌を更に深く絡ませる。
「…んん、ん……ふはっ」
「…甘い」
「あんた…こそ…甘いですよ」
「日吉のが甘いぜ!だってどんな菓子よりも甘くて可愛いんだからな」
「恥ずかしい人ですね」
照れてそっぽ向いてしまったけどやっぱりどんな菓子よりも日吉の方が大好きだぜ。
お腹一杯になることなんてあり得ない!
このキスは俺だけのもの
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