長話
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昔から早起きをする習慣がついていた。
朝稽古があるから寝ていても兄に起こされていつの間にかそれが当たり前になっていた。
だから生まれてこのかた寝坊も遅刻もしたことがない。
だが……
「寝れなかった…」
昨日、いつも通りバイトをしていたところに突如現れたあの有名なアイドル跡部景吾のおかげで一睡も出来なかった。
初めて会って文句をつけられてキレたら笑われ挙げ句の果てにメアドまで登録される。
今、思い出しても腹がたつことだ。
これが夢だったらと何度も考えたがやはり現実であることに変わりない。
「駄目だ…眠ぃ…」
一晩悩んでいたらこの様だ。
頭が寝不足のせいでボーッとして中々覚醒しない。
本当は寝たいところだが今日は休日ではなく平日だから学校はしっかりある。
仕方なくのそのそと布団から起き上がり仕度をすることにした。
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