倉庫
□キスする前に
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忍足さんは驚いた顔してから一瞬戸惑い、困ったように笑った。
「そんなこと言っとると襲ってまうで」
ポンッと頭を叩きまた視線を画面に戻した。
最近は俺に触れるのを極力避けているように感じる。結局口では言っても行動に移そうとはしないのだ。
そんなところを寂しく思う。
「忍足さん…」
「…何や?」
「俺のこと…好きですか?」
「好きやで」
「他に好きな人出来たんですか?」
「どないしたん、若?」
自分でも女々しいということは分かっている。
けど、どうしようもないのだ。
本当に好きだから…
「最近、俺に触れることを避けてますよね」
「――…っ」
息が詰まり否定をしない。それに胸が疼いた。
「どうして…なんですか」
「…ふぅ」
困ったように溜め息を吐いて髪を少し乱暴に撫ぜて不安気にこちらを向く。
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