呂蒙×陸遜&陸遜×呂蒙

□告白(陸遜視点)
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どうして私の方を見てくださらないのですか……?

私の方を見てください。
分かってる、こんなのただの私のエゴ。
分かってるつもりなのに。



「はぁー」
そう考えながら陸遜はため息をついた。

「どうしたんだ?」

甘寧は不思議そう聞いた。

「あっ、すみません。なんでもありませんよ」

「これか?」
小指を立ててそう聞いた。まさか男、しかも呂蒙殿に片思いとはさすがに言えない。

「えぇ」
陸遜はあいまいな返事をした。

今夜は呉の勝利を祝っての宴会。


‐数時間後‐
皆すっかり酔っていた。

「あれ?呂蒙殿知りませんか」
呂蒙がいないことに気付きそう聞いた。

「………さぁ」
周泰は飲みながらそう言った。


「そうですか」

ふらぁー。
「少し飲み過ぎたかもしれませんね」

そう言うと、夜風にあたるため廊下に出た。


「呂蒙殿」
急に立ち止まると、一人月を眺めながら酒を飲んでいた呂蒙にそう言った。

呂蒙は声に気付き振り向いた。


「いや、なんでもない」

その声の主を確認するとそう言った。そして、視点を月に戻した。


ほら。また、私の方を見てくれない。どうして私の方を見てくれないですか。
エゴだと分かっているのに陸遜はその感情が抑えられない。


「どうして私の方を見てくださらないのですか?」

ついに声に出してしまった。

「えっ?」

呂蒙は理解不明そうな顔をしている。
それでも陸遜ははどめが効かなくなっていた。

「どうして私の方を見てくださらないのですか!」


そのままおそってしまった方がよいかもしれない。その方が落ち着く。
酔ってやったって、ごまかせるかもしれない。陸遜はそう考えた。


陸遜は呂蒙の唇に自分の唇を重ねた。
もう後戻りはできない。陸遜は唇を離した後、強めの口調でこう言った。

「私の方を見てください!好きなんです」
陸遜は酒のせいと恥ずかしさで真っ赤になりながら、そう言った。


「私も陸遜が好きだ」
あぁ夢かもしれない。こんな事ありえない。陸遜はそう思った、そんな瞬間だった。
「ほぇ?」

そう言うと陸遜は倒れてしまった。
そしてそのまま眠ってしまった。





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