遊戯王GX ~超越者の奔放戦記~
□第5話 月一昇級試験
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― 教室
ミナトは何時ものように授業に遅れて教室に入り十代の隣の席に座る。
「遅いぞ、ミナト!!」
「昨日夜更かししてな、それにお前も人の事を言えんだろが!」
「それもそうだな」
ミナトは十代と話しながら欠伸交じりに周りを見回すと、いつも以上に静かで皆の視線が真面目な事に気づいた。
その様子を不思議に思うも面倒臭いと思い、机にうなだれながら眠りに落ちた。
(そういや、翔が欲しいとか言ってたカードが有ったな……売店を見るついでに見に行くか?)
― 万丈目 Side
明日は月に一度ある学園試験日
たかが月一テスト等、この俺様が落とす筈は無いが、念には念をということわざもある……
明日は新パック発売もあり人も多くなるだろう、今の内に今あるパックを大量に買いレアカードを集めておこうか。
ふふ、この万丈目、たかが月一テストとはいえ手は抜かないという事だ。
さて、何を買おうか?
確か今必要なカードは……
ん?
アレはいつかのドロップアウト・ボーイ、生意気にも俺と同じ心算か?
「あの〜」
「は、はい! なんでしょう!?」
「このパックってありますか?」
「えっと、はいありますよ。 でも、今出ているので全部ですね」
何!? 不味い急がなくては!!
「じゃあ、あのカードと残り全部を貰うよ」
んな!? な、なにぃぃぃぃ!!!
アイツ、この俺様を差し置いて何買い占めてやがる!
「あ、ありがとうございます。 じゃあ、たくさん買って頂いたので、ドローパンとこのカードもサービスしますね」
「え、本当か? ありがとう、えっと………?」
「あ、私はセイコっていいます! これから、よろしくお願いしますね!///」
「セイコさんか、俺はミナト。 ありがと、これからよろしくセイコさん」ニコッ
「はぅっ///」
くっ!
あの女定員が顔を真っ赤にしているのはこの際どうでもいい!!
それよりも、アイツをこのまま寮に帰すわけにはいかん!!
しまった、何時の間にか考え込んでいる隙に見失ってしまった!!
「まてっ!!」ダッ!!
売店を出ると既に姿は無く、とりあえず俺はレッド寮の方に向かった。