遊戯王GX ~超越者の奔放戦記~
□第2話 最初の出会いとレッド寮
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新しい季節を迎え始めた今日この頃、この島にある学園デュエルアカデミアでも入学生を迎える入学式が行われようとしている。
今日はアカデミアの入学式。
そしてその学園のある島へと向かう船には多くのアカデミアの新入生が乗っていた。
この船にはこの物語の主人公ミナトの姿もあった。
「潮風がなかなか涼しいな……」
船のデッキに出来ている日陰の中で横になっていた。
ダラッと項垂れ、空を見上げていた。
「……良い青空、こういう日は何か面白いことがありそうじゃないか――セイバー?」
ミナトはそう問いかけるが今、彼の周りには誰もいない。
すこし離れた場所にミナトを見つめている女子達はいても、距離的に彼女達と話しているわけではないようだ。
【そうですね、まさに入学式日和とでも言う所でしょう】
そしてその声を同時に、ミナトの隣に某女騎士王にそっくりな半透明の女性の姿が現れた。
金色の髪を後ろで纏め、ひと束の跳ねている髪が印象的な見た目同年代の女性“セイバー”と呼ばれた彼女はミナトに付く精霊なのである。
「入学式か……」
少し眠気が出てきたのかウトウトと眠りそうな時、上から声がかかった。
「なぁなぁ、お前入学試験の最後に受けたやつだよな!?」
ミナトは重い瞼を開き声のもとに目を向けるといつかの少年が立っていた。
しかし、今は睡眠のほうが重要と思い瞳を閉じようとすると目の前に久しい姿が映った。
【クリクリィ〜〜♪】
「(ハネクリボー、久しぶりだな……)」
流石に目の前を嬉しげに飛び回られると落ち着いて眠れるはずもなく、ミナトは起き上がる。
「で、どうなんだ!?」
「(こいつ、見えてないのか……)」
あれだけ飛び回っているのに何も言わない十代を見てミナトは察し、横に視線を移すとハネクリボーはセイバーと楽しそうにじゃれていた。
「なぁなぁ!!」
「えっ、あぁ一応そうだな」
「やっぱり、俺は遊城十代っ! お前はなんて言うんだ?」
「陸奥ミナト、まぁよろしく」
ミナトは差し出された手を取り、十代と握手を交わした。