In The Ugly World a Period

君は笑えと僕に言った
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泣いて、笑って、怒って



それから微笑んで








































冷めた手を見やる











刀を取り落としたままの手は、戦う者にしては小さく、細い








さっきまで温かだった体は冷たくて軽い





斜陽が、より鮮やかに赤く辺りを染める















































「––––––ッ....       」



















掠れた声で君の名を呼ぶ










届くはずもなく、返事が返ってくるはずもない、呼び声






さっきまで、隣で笑っていたはずなのに















笑いながら、冗談さえ言っていたのに





夕日が落ちるように



寒々とした空気が迫るように



その小さく、冷えていく体をただ、掻き抱いていた



































酷く、酷く冷たいそれ







また無くす




また亡くす


















また救えない



また助けられない































い い 純























応える声は既に無く




抱いた体は冷めていく













冷たい






動かないそれ





ただ冷たくなっていく




















劈く悲鳴さえ、届かず




呼ぶ声さえ、届かず




酷く、酷く冷たい


































それは一片の雪が溶けるように






































Heipless

















何て私は無力なのだろうか、大切な者一人も守れずに....–––––––––












                              
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