In The Ugly World a Period

真っ白な紙に描いたその絵は
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君を護るためならば



何度だって鬼になろう



嫌われたって構わない



君が笑っているのなら

















お前の厳しさは



いつだって



優しさの裏返しなんだって事を



俺はみんなに教えてやりたい







それじゃ示しがつかねェ、なんて



お前は笑って言うけれど



お前が誰かを傷つけたとき



お前も一緒に傷ついてるのを俺は知ってる






誰よりも優しいお前に


誰よりも厳しい顔をさせて


本当にすまないと思ってるんだ






だからせめて


惚れた子と幸せに


仲睦まじく幸せに



笑顔に溢れる、そんな関係を




築いてくれればいいと思ったのに








お前の優しさが仇となり

たった一歩も踏み出せずに


その熱く燃え滾る強い想いを


そのまま閉まっておくんだな

















誰よりも優しいお前が

何故、誰よりも不幸なんだ





















俺はお前の幸せを



何処の誰よりも



強く強く願ってる


















この人の温もりは



なんて暖かく



なんて優しいのだろう



花を霞める香りは 甘い角砂糖と同じ



優しさの塊のような この人に似合う



驚くほどに甘い香り








みんな大っ嫌い


みんな消えちゃえ
 

でも、大嫌いと思いながら


消えてしまえと思いながら





私は心のどこかで 誰かに見つけてほしいと


迎えに来て欲しいと願ってた







いつだって



一番最初に見つけてくれるのは 



貴方だった 










冷たく言い放つ言葉とは裏腹に



私の冷えた手を暖めてくれた






















最初はその刀に惹かれ



また刀を交えたいとただそれだけだった




日が経つにつれ その思いは薄れ


言葉を交わしたいと.....ただ会いたいと願うようになった










俺は


己の敵と知りながら
















いつしか君に 惹かれてた






















こんなにも君を苦しめているアイツが憎くて




こんなにも君に思われているアイツが羨ましくて




俺なら君を幸せにできるとは言わないが



少なくとも君は一人で泣かないように



君が求めるならば駆けつけるし



君が求めれば抱き締めるし



君が求めるならばこの命を絶つことだってできるのに










君が求めるのは俺ではなくて


苦しみから解放してやれるのも俺ではなくて








君を幸せに出来るのは俺ではなくて





俺ができることは




こうして傍観者として抱き締めてやれることで




少しでも痛みが和らぐのなら

















ただ一時の安らぎを 君に



















俺が消えることで




お前の涙が消えるなら




感情なんざ捨ててやる




アンタはこんな俺を見たら笑うのか?





たぶん褒めてくれるんだろうな


いつだってアンタの教えは温かった



アンタが教えてくれたのは


壊す剣じゃなく護る剣だった



俺はアンタの教えに背いてきたけど



今回ばかりはアンタの言う




護る剣って言うのじゃないかと思ってる










護るってのは難しいな



破壊ばかりを繰り返してきた俺には



上手く護ることができねェよ









散々傷つけちまった




散々泣かせちまった



今ならまだ間に合うか?






俺でもアイツを護れるか?



他の奴らみたいに



護る剣を振るえるのか?















こんなにも血に汚れた








俺という諸刃の刀で






















あんな奴の所に行っても幸せになんてなれないって本気で思う





だけど、あんな苦しそうな顔してたら




あんな悲しそうな顔してたら



背中、押すしかないじゃん


ありがとうなんて


言わないで



















引き止めかけた僕の手は



キミの背中をそっと押した





















傷つけて ごめん


護れなくて  ごめん


振り回して  ごめん



気持ち押し付けて  ごめん



優しくできなくて  ごめん



好きになって   ごめん







でも俺も



大好きだった














今でも凄く




















神様はなんて残酷で



なんて優しい幻影を最後に与えてくれたのだろう








願うことなら


朝は冷たい空気になって


昼は降り注ぐ光になって


夜は数多の星の一つになって


貴方のその頬が二度と涙に濡れぬよう


いつでも傍で見守りたい








愛する喜びを


愛する痛みを


愛することを教えてくれて ありがとう






本当に幸せだった





ありがとう

















そしてさようなら

私の最初で最後の愛しい人






















これがお前の望んだ幸せなのか










      これがお前の望んだ結果なのか










これが君の望んだ世界なのか










      これが貴方の望んだ結末なのか










これが叶わないと知りながら願い望んだ事なのか


















この世界を壊そうとした貴方は

何もかも投げ出した目つきでした



この世界を嫌っていた貴方は



私さえも切り裂きました






















俺はお前の幸せを願ってる










      俺はお前の選んだ事に口出しはしないよ










嗚呼なんで今、君の目の前に壁があるのか










      この結末を神が決めているのなら











俺にはこんな世界は必要ないのに




























貴方の一瞬の笑みを見たときは


最高の幸せでした



夢なら覚めないでと願っても



神様は私達を裏切りました



その夢は一瞬にして砕け散り









全てを葬りました



















もしも貴方の手で消されるのなら



それこそが私の  本望です



それこそが私の選んだ  結末です


















それこそが私の望んだ  終焉です
    
     
      
      
       
   
  
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
  
 
 
 
  
 
              
           
 
        
         
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