想像絵本

みずたま神さまと“む”のうちゅう(完結)
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(1)

「どうしてだい?」

 と、“む”は、不思議そうにみずたま神さまに聞きました。

 みずたま神さまはすべてをもっているので、“む”にあげられるものは、たくさんもっているはずなのです。

 みずたま神さまは、“む”に答えて言いました。

「だってぼくは、このすべてで、ぼくだもの。すべては、このぼくで、すべてだもの。それを、きみにあげることはできないよ」

「だから、わたしには、なにもないのだね。君にはあるものが、わたしには、なにもない……。わたしは、それがさびしい。だから、やっぱり、わたしは君がほしい!」

 “む”は、そう言うと、みずたま神さまを飲み込んでしまいました。



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