想像絵本
□みずたま神さまと“む”のうちゅう(完結)
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「どうしてだい?」
と、“む”は、不思議そうにみずたま神さまに聞きました。
みずたま神さまはすべてをもっているので、“む”にあげられるものは、たくさんもっているはずなのです。
みずたま神さまは、“む”に答えて言いました。
「だってぼくは、このすべてで、ぼくだもの。すべては、このぼくで、すべてだもの。それを、きみにあげることはできないよ」
「だから、わたしには、なにもないのだね。君にはあるものが、わたしには、なにもない……。わたしは、それがさびしい。だから、やっぱり、わたしは君がほしい!」
“む”は、そう言うと、みずたま神さまを飲み込んでしまいました。