想像絵本

みずたま神さまと“む”のうちゅう(完結)
3ページ/19ページ


(1)

 あるとき、みずたま神さまの近くに、“む”がやってきました。

 けれども、その“む”のすがたは、みずたま神さまには見えていません。

 そこで“む”は、みずたま神さまに聞こえるように言いました。

「わたしには、なにもない。けれど君には、それがある。だから、わたしは君がほしい」

 その“む”の声を聞いたみずたま神さまは、答えて言いました。

「ぼくには、すべてがある。けれどきみには、それがないんだね……。だけど、ぼくはきみに、なにもあげられないよ」


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ