改心前の加藤←←←椿
「待て加藤!」
振り返ればそこには爽やかな短髪、凛々しい瞳、人形のような睫毛があった。紛れもない生徒会長だ。シカトしてやろうかと考えたけど、したらしたで後々面倒な事になりそうだと思い、なんだ、と言った。
「この間の話だが、考えてくれたか?」
「…はァ?」
「、全く貴様は…。生徒会に入ってくれまいかというお願いをしていただろう!」
「…あー」
そうだっけ、と内心思ったがこの糞真面目な会長さんが言ってるってことは恐らく事実なんだろう。なんで俺はこんな面倒な奴に目をつけられたんだか。
「入らん。以上」
「お、おい!ちょっと待て!」
背中を向ければ腕にしがみつく。まじで面倒。ぶんぶんと振ってみたがそれだけでは離れねぇ。しつけーな。
「俺は生徒会に入る気はない。あんたにどんだけ頼まれようと絶対に入らない。絶対に、だ」
睨みながら言えば怯むかな、と思った。でも確かに最初はビビってたっぽいけどすぐにまた凛々しい瞳。何なんだ、こいつは。
なんか分かんねえけど、ムカついた。
会長の胸ぐらを乱暴に掴んで乱暴にキスをしてやった。目を丸くして唖然として
いた。はっ、ざまーみろ。
「これで分かったろ、俺はあんたが思ってるような人間じゃねぇんだよ。それでも付きまとうってんなら次はブチ犯すからな」
ドンっと会長を押す。よろめく会長はまだ唖然としていた。背中を向けても追っては来なかった。あー精々した。
「──加藤!」
チッ、今度は何だよ。面倒だから振り返らなかった。だから会長の声を背中で聞いた。
「僕は、っ」
「…」
「僕は君が生徒会に入ってくれるなら、何をされても構わない」
「…はぁ!?」
びっくりして思わず振り向いてしまった。そこには余裕な表情の会長がいた。
「…意味分かんねえ」
自然と俺の表情も綻んだ。ような気がした。
誕生日に、(そんな馬鹿な奴がいても良いかなと思った)
12.0507
1ヶ月遅れー!はいしねー!
誕生日要素がないのに気付いて、無理やり誕生日当日にしちゃうところとかワイルドだろー?(裏声)
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