海
□閉ざされた魂 12
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名無しさんがモビーに来て3年が経った。
13歳になった名無しさんはモビーに来た時とは比べられないくらい明るくなり、自分の力にも自信を持つようになってきた。
3年前のあの日から組み手を欠かさず行っている名無しさん。今日は2番隊との組み手……
「さて、始めるか」
エースの言葉で2番隊のクルー50人が名無しさんに向かい走って来る。そして次々と拳を振り回す者や足技を使う者を名無しさんは女独特の身軽な動きでかわしては、立ち上がれないがそれ程の痛みが無いくらいの力でお腹に1発ずつ拳を入れていく。
「こんなもんかな……フゥ…」
さっきまで名無しさんに向かってきたクルー達が居なくなるのを確認すると一息ついた。
「よし名無しさん、今度は俺とやるぞ」
『ぇぇ、いいけど…船燃やさないでね』
「大丈夫だ」
『……フゥ……』
エースの大丈夫の言葉に疑いの目をしため息をはく名無しさんだった。
「いくぜ……火銃…」
――ボウッ
『だからぁ…船を燃やさないでって言ってるじゃん……もぅ………アップ…シールド…』
エースの攻撃に文句を言いつつ右手を海の方へ向けアップと海水を持ち上げ、シールドでエースの火を包み消した。
「おお、さすがだな」
『エース隊長……さっき船を燃やさないでって言いましたが……聞こえませんでした?……ニコッ』
「……ヴゥ……ハハハハ、悪かった悪かった……」
『ハァァ……』
「なんだなんだ、名無しさんはまたエースのお守りかぁ?……ニヤリ」
「うるせぞサッチ」
「「「「「…ハハハハ、エース隊長ダメっすね」」」」」
名無しさんがエースにお説教をしているとサッチが甲板へとやってきた。そしてサッチの一言にエースは怒り、周りで見ていたクルー達がエースを貶しながら笑っていた。
「少し休憩しな。飲み物持ってきたぜ」
そう言い、サッチが2番隊と皆とエース、名無しさんに飲み物を渡した。
それを、いただきますと勢い良く飲んだ。
それから再び組み手が始まり、また船を燃やそうとしたエースに名無しさんは海水で出来た大きな玉の中に閉じ込めお灸を据えていた。
そんな感じでエースが戦闘不能になり組み手は終了。一部始終を見ていたマルコ、サッチ、イゾウ、ビスタは
「強くなったねい」
「まったくだ。可愛くなって…」
「変態サッチ………まぁ、いろんな意味で成長したね」
「海水を使えるのがメリットか…」
と微笑ましく見ていた。
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