□閉ざされた魂 8
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――


いつものようにモビーに朝が来る。



『……ん……あさ…?』



朝日が部屋の窓から漏れ、名無しさんは目を覚ました。それから大きく背伸びをし支度をした。



――トントン


「………はい」


『アリス、おはよう』


――ガチャ


「おはよう名無しさん。さてご飯食べに行きましょうか?」


『うん』


扉の奥から出てきたのはもちろんアリス。
1日の始まりは朝食を食べに行くのに名無しさんがアリスの部屋に行く事だった。そして2人揃って食堂へ行った。



――食堂


食堂へ着くといつもの定位置で他のナース2人が来ていた。ナース達の定位置は何時でも船長の所へ行けるように食堂入口に一番近い所にあった。名無しさんは毎食ナース達と食事をしている。


『マリー、レイスおはよう』


「あら名無しさんおはよう」


「おはよう。今日もアリスと一緒ね」


『ぅん、いつも一緒……ニコ』


「「ぁぁ、かわいい」」



マリーとレイスはいつも名無しさんをおもちゃにされている。ナース達の中でアリスの次に仲良くなったのが2人だった。
談笑しながら食べていると、名無しさんが『ごちそうさま』と先に来ていた2人より先に終わった。
いつも食事量が少ない名無しさんにアリスは毎日腑に落ちない顔をしていた。


「名無しさんは随分少食ね」


「そうね……でも航海士の話じゃ今日あたり春島に着く予定とか言ってたわね。だからいっぱい食べとかないとね」


『………ぅん』


「…………」


そんな話の途中に隊長達がぞろぞろと入って来た


「あら、隊長方おはようございます」


「「『おはようございます』」」


「「「「おはよう(だよい)」」」」


「もう終わりか」


「はい、お先にいただきました」


「そういや今日島に着く予定だったねい」


「そうなのかぁ?」


「来るときに話してただろう」


「ん……まぁ、今はメシだぁぁ……サッチ、メシ」


入って来た隊長達に挨拶をしたあと今日の話をしたり、エースとマルコが言い合ったりと賑やかな朝だった。エースを追い掛けて食事をしに行った隊長方だったが、去りぎわにマルコがアリスに向かって一言言った。


「アリス、そういやオヤジが読んでたよい。終ったら部屋に来いだとよい」


「わかりました」



食事も終わりアリスと名無しさんは食堂から出た。名無しさんは部屋に歯を磨きに行き、アリスは船長室へと向かった。
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