□閉ざされた魂 6
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――


名無しさんが自分の過去を話した次の日の朝



「………フフフ」



『………スースー……』



この船に乗ってから初めて名無しさんの寝顔を見たアリス。その可愛さに思わず口元が緩んだ。
じっと見つめていたアリスだったが誰かが部屋の扉を叩いた為ベッドから降り扉の方へ向かった



「はい。あらマルコ隊長…どうなされたんですか?」



「いや、朝ご飯を持って来たんだけどよい、2人が起きて来ないから何かあっかのかと思ってよい」



「……フフフ、大丈夫です。ただ、名無しさんが余りにも気持ち良さそうに寝ているのもですから。良かったら可愛い寝顔でも見ますか?」




2人を心配して来たマルコにそう言うと寝ている名無しさんの所に案内するアリス。
そして、名無しさんの寝顔を見たマルコは




「本当に気持ち良さそうに寝てるねい……泣いてすっきりでもしたかい」



「名無しさんがこの船に乗ってから初めて寝顔が見れましたよ…フフフ」



アリスは子どもがいたずらを成功させた時のように笑い、マルコも口元を緩めていた……が……そこへ




――バンッ


「「『……ビクッ…』」」



「「アリス、名無しさん大丈夫かぁ」」




この和やかな空気を破ったのはもちろんあの2人………そんな2人にキレたマルコとアリス。



「おめえら、もっと静かにこれねえのかよい。名無しさんが起きちまっただろよい(怒)」



「……マルコ隊長、その前に女の部屋に無断で踏み込むなんて人間としてあるまじき行為です…おかげで名無しさんが起きてしまいました(怒)」



「「……チョ、待て待て待て………落ち着けって……汗…」」



「ハァ、アリス…医務室にご飯があるから食べとけよい、俺はこいつら海に沈めて来るよい」



「わかりました。よろしくお願いします……フフ」



そう言い、2人をズルズル引きずりながらアリスの部屋を出ていくマルコでした。
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