海
□閉ざされた魂 4
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名無しさんの歓迎の宴から3日が過ぎた
宴の後からアリスの部屋で寝る事が当たり前になった名無しさん
日中、アリスには仕事がある為まだアリスやナース達以外の船員に慣れない名無しさんは船内(特にアリスの部屋)で過ごす事が殆んどだった。時折、隊長達が可愛い妹に会いに来たと様子を見に来る事もあった。
ーー 朝 ーー
「あら、名無しさん今日も早いのね」
『………コクリ………オハヨ……』
眠たそうな顔で起きたのはアリス。いつもアリスが目を覚ますと名無しさんはすでに起きている……否……名無しさんはこの船に来てから眠れずにいた。里に居た時から周りの気配に敏感だった為遠く離れた所でも人の動きが分かってしまう。それに加え眠りから覚めたらまた1人になっているのではと言う不安が大きい為か殆んど眠れない状態が続いていた。
御飯も船に来た頃より比べれば摂れている方だが、主食類を殆んど口にしていない。その為体力が限界かボーッとしている事が多くなった。名無しさんは里に居た頃から自分の感情を隠し、全て自分の中に押さえ込んでしまう癖があった。そんな名無しさんを心配してアリスは声をかけた
「名無しさん夜ちゃんと眠れてる?」
『………コクリ…ねむってる……』
「……そぅ、ならいいけど………それじゃもうすぐ朝ごはんになるから支度しなくちゃね」
『うん』
そして2人で支度をはじめた。