05/01の日記
15:07
精霊の守り人 上橋菜穂子
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初めて読んだのは中学三年の時。
前から読みたいなーとは思っていたけれど、児童書?だったので踏ん切りがつかず。。。
文庫化されてから読み始めました。
すごいですね。これ。
物語の世界に引き込まれて、気づいたときには夜中。
本当にこれ、児童書???と本気で思った。
世界観も好きですが、一番惹かれたのは登場人物たち。
主人公に限らず、ちょっとしか出てこない人たちまでなんて魅力的なの!!!
主人公の女用心棒・バルサは哀しい過去をおっているのに、それを感じさせないほどに強い。
腕っ節だけじゃなく、心、精神もね。
新ヨゴ皇国の第二皇子・チャグムも、はじめはお坊ちゃん丸出しだったけど、
最終的には優しく、賢く、逞しい少年になったし。
タンダは、はじめから最後まで「なんて良い人なの!!!」と思わずにはいられない人だった。
バルサを思い続けているのに報われない感じも、何か好きだったし。
あと、バルサはお母さんでお父さん。タンダはお父さんでお母さんだった笑。
トロガイ師はそれで言うとおばあちゃん。
でも、かなーり濃いおじいちゃんみたいな感じもした。
すごくナユグに通じてて、人智を超えることをいっぱい知っている賢い人なんだけど、人間臭さがある。
シュガも好き。
敵対しているはずなのに、すっごくいい人。
賢いし、馬鹿じゃない。
* * * * *
すべての物語の始まりは、チャグムにニュンガ・ロ・イム(水の守り手)の卵が産みつけられたところから始まる。
チャグムの父・帝は、チャグムに宿ったのは200年前に先祖であるトルガル帝が倒した水妖だと思い、
息子をひそかに暗殺するよう仕向けた。
それに気づいたチャグムの母・二ノ妃は、チャグムを救ったバルサにチャグムを託す。
で、そこから二人の逃亡劇が始まる。
いくらうまく逃げようが、気づく人は気づくんですね。
それが、星読博士のシュガ。そしてもう一人、星読博士の頂点に立つ、聖導師。
聖導師はすぐさまバルサとチャグムに追手・狩人を差し向けるが、
数々の修羅場を潜り抜けてきたバルサは、怪我をしながらもなんとか其の場を掻い潜り、
幼馴染でトロガイの弟子、薬草師・タンダの小屋へ。
なんとか傷をいやして、そこでチャグムに宿ったモノが、
水妖ではなくニュンガ・ロ・イムの卵だということを知る。
ニュンガ・ロ・チャガ(精霊の守り人)となったチャグムを、バルサとタンダ、そしてトロガイ師は来年の夏至まで守ることを決めた。
その頃、ようやくシュガは間違いに気付き、初代聖導師であるナナイが遺した碑文の書を解読していた。
バルサとタンダ、そしてチャグムの三人の生活がとても好きです。
本当の親子のようで、とても温かい。
夏至になると、チャグムは宿った卵が導くままに産卵の場所まで進んだ。
しかし、異世界・ナユグから卵を狙ってラルンガとい化け物が襲ってきた。
100年前のニュンガ・ロ・チャガは、このラルンガの爪に引き裂かれた。
バルサは、狩人たちと協力してラルンガに立ち向かうが、そのと夕にチャグムが卵に操られて、勝手に消えてしまう。
しかし、なんとかニュンガ・ロ・イムの産卵に間に合い、最後にタンダが卵を空に高く投げ上げ、ナージ(鳥)に託した。
最後の哀しい別れのシーンは、涙なくして読めません!!!
「ひと暴れしようか?」っていうバルサのセリフ。
ジーーーーーーーーンときましたわぁ......(T_T)
おかんは優しいけど、厳しいね。
ファンタジーなんだけど、そんな枠でくくっちゃいけない物語だと思う。
大人も子供も、この物語には惹きつけられてしまうんじゃなかろうか。
とっても考えさせられる作品です。
一度ご覧になってください。。。
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