何でも辞典

【か】 4件

【春日局 (かすがのつぼね)】

安土桃山、江戸初期の女性で、
江戸幕府第三代将軍・徳川家光の乳母。

父は明智光秀の重臣で従弟の斎藤利三、母は稲葉一鉄の娘・あん。
本名は斎藤福。

稲葉正成の妻で、稲葉正勝、正定、正利の母。
養子に堀田正俊がいる。


本能寺の変後、父は捕えられ処刑。
母方の親戚である公家・三条西公国に育てられた後、
伯父の稲葉重通の養女となり、小早川秀秋の重臣・稲葉正成の後妻となった。

後、将軍家の乳母となるために夫と離縁、
1604年に第二代将軍徳川秀忠の嫡男・竹千代の乳母となる。


しかし、竹千代に弟の国松が生まれると、
秀忠と御台所・江与の愛情は国松に注がれて、竹千代の次代将軍の座が危ぶまれ、福は死罪覚悟で大御所・徳川家康に直談判した。

それが功を奏し、竹千代の次代将軍の座は確定した。


家光(竹千代)が将軍となると、御年寄に任じられ、奥向きの一切を取り仕切るようになる。

また、上洛した折に御所への昇殿を図るも、無位無官の身では叶わず、三条西公国の息子である実条の猷妹となって参内。
後水尾帝や家光の妹・中宮徳川和子らに拝謁し、
従三位と「春日局」の称号を賜る。後、従二位に昇叙。

1643年九月に64歳で死去。


「西に入る月を誘い 法をへて 今日ぞ火宅を逃れけるかな」


【家族 (かぞく)】
血のつながった、もしくは同じ戸籍に属する者たちの集団。
血は繋がらずとも、強く深い絆でつながり、いついかなる時、場合であろうとも、相手を思いやることのできる人間たち。

温かく、時に厳しく見守ってくれている存在。
裏切ることもままあれど、最後には絶対に裏切ることのない人々。

唯一、絶対の存在である、自分のかけがえのない人たちのこと。


【片外し (かたはずし)】
日本髪の一種で、
江戸時代、江戸城の大奥などに仕える高給女中に結われた。


笄に片方だけ巻き込んだ髪、
公家や武家の上流にしか結われない「しいたけ髱」、「葵つと」と呼ばれる髱が特徴。
「しいたけ髱」が「葵つと」と呼ばれる所以は、
後ろから見た時、徳川の家紋である葵の紋どころに似ているから。

また、「しいたけ髱」は江戸風、「葵つと」は京風の呼び名。

御殿女中の代表的な髪形だった故に、
片外しを結うことができない下位の女中たちも、
宿下がりの時などは見栄を張ってこれを結ったとか。


もともとは京の公家に仕える女性が、
将軍の正室として降嫁する姫に従って江戸に下り、大奥に広めた髪型。

そのためか、笄を外せばすべし髪になるようになっている。

装飾品は笄の他、櫛や平打簪などを挿すのみと、きわめてシンプル。


【勝山 (かつやま)】

日本髪の一種。


江戸初期、勝山という遊女が結い始めたのが最初で、
江戸中期頃には一般にも広まっていった。

見た目が上品だったため、武家の若い既婚女性などにも結われるようになる。

また、この髷が変形したものが関東の既婚女性に結われた「丸髷」である。


髷が大きな輪を描くように結われているのが特徴。


現在の京都の舞妓が祇園祭の時に結う「勝山」や、
嶋原の太夫に結われている「勝山」は、
形だけを言うと、吹き輪に近いものがある。



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