何でも辞典

【む】 2件

【紫 (むらさき)】

色の名。
青と赤を混ぜて作る。



紫式部著、「源氏物語」の登場人物であり、
主人公光源氏の二人目の妻。

父母を幼いときに亡くし、
祖母である北の方に育てられていた。

雀と遊んでいたところを光源氏が垣間見、
その容貌が彼の父帝の妃、藤壺に酷似していたことから
光源氏にさらわれるように彼の屋敷につれてこられ、
以後、彼を兄のように慕う。


光源氏の正妻、葵が夕霧を出産後急死し
光は元服した若紫…紫の上を二人目の妻とする。


その後、夫、源氏が須磨に流れたりと波乱に満ちたが、
悲しいかな、子宝には恵まれず、
源氏が須磨に流れたときに
明石入道の娘、明石の君に産ませた明石の姫君を養女とし、
晩年には帝に入内し女御となった姫君の産んだ二人の宮の祖母となる。


四十代で逝去。
彼女がなくなり、失意の光源氏は出家する。


作品を通して、紫の上は源氏最愛のひととして描かれている。


【紫式部 (むらさきしきぶ)】
平安時代の歌人、作家、女房であり、世界最古の長編小説「源氏物語」の作者である。

藤原北家出身で、父は歌人・漢詩人の越後守・藤原為時、幼少期に死別した母は摂津守・藤原為信の娘である。

同母兄弟に藤原惟規と早世した姉がいる。

幼少期から漢文を読みこなすなど、才媛ぶりを発揮していた。


父が一条帝に詩を奉じ、越後の国守に任じられた時、父に従って越前で二年程過ごした後帰京。
998年頃、親子程も年の差がある山城守・藤原宣孝と結婚し、
999年に後の冷泉帝の乳母となる賢子を出産。

その後、すぐに夫と死別。
この頃、源氏物語の執筆開始か。


1005年、または1006年に一条帝中宮・藤原彰子の女房として宮中に出仕し、1012年頃まで仕えたとされる。


詳しい没年は不明だが、
「小右記」の1019年の条で彼女らしき女房の死の記述がある。

「紫式部」は女房名で、本名は不明。「香子」という説がある。
「紫式部」とは、父の官位であった「式部大丞」と、
「源氏物語」のヒロイン・「紫の上」からきているとされるが、
「紫」というのは後世の人々が呼んだ名で、実際には氏である「藤原」から「藤式部」と名乗っていたのではという説もある。

また、藤原道長の妾だったとも。


三十六歌仙の一人であり、小倉百人一首にも入選している。



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