何でも辞典

【は】 1件

【花散里 (はなちるさと)】

紫式部著、「源氏物語」の中の登場人物で、
主人公・光源氏の父・桐壷帝の女御の妹で、
源氏の心の憩う女性である。



ある五月雨の頃、
源氏は桐壺院の女御であった麗景殿女御を訪ねる。

彼女の妹・花散里は源氏の恋人で、
姉妹は院の没後源氏の庇護をうけて暮らしていた。

女御の屋敷には橘の花が咲き、
源氏と女御はしみじみと昔話を語り合い、
その後花散里の局を訪ねた。


容貌はそれほど美しくはないものの、
温和で慎ましい性格で姉を女御にもつなど出自も高く、
裁縫などにも堪能な家庭的な女性。


後に彼女は母・葵の上を生まれてすぐに亡くした源氏の嫡男・夕霧や、
夕顔の忘れ形見・玉鬘の養育などの源氏の子女(玉鬘は養女)の母代りなどを務めるなど、
源氏の妻の中では正妻・紫の上に次ぐ立場となって、
養女・玉鬘とともに六条院の夏の御殿に住まう。



[戻る]



©フォレストページ