何でも辞典

【に】 2件

【日本髪 (にほんがみ)】

主に古来から伝わる日本女性の髪型のこと。

特に江戸時代の女性の髷を指すことが多い。


現在では自髪で日本髪を結っている人は少なく、
主に京の舞妓、そして芸妓の一部、趣味などで結っている人くらいしかいない。



江戸時代、それまで垂髪(平安時代などの貴族女性に見られる髪型)だった髪を、
一つの束にしてまとめ、高い位置で結った事から髷はどんどん進化していった。

鬢付け油を用いて髪が崩れないようにして、さまざまな形の髷が生まれ、
その数は200種類を超えると言われる。

また、日本髪特有の鬢(側頭部の髪)を出っ張らせたり、髱(後頭部の髪。つと)を突き出させたりする形が生まれた。


身分や年齢、既婚、未婚、地域により、髷の形は変わる。


よく時代劇などで見る髷の形としては、
既婚女性の丸髷、未婚女性の島田髷、
少女の割れしのぶ(桃割れ)、稚児髷、
御殿女中の片はずし、大名や将軍の奥方の下げ下、
遊女の横兵庫などが有名。


また、この髷の形は吉原などの遊女が発信することが多かった。


【女房装束 (にょうぼうしょうぞく)】

「五衣唐衣裳」とも言い、別名に「十二単(衣)」とも呼ばれる。


国風文化が開花した平安時代から着られるようになった貴族女性の装束で、
主に宮中に仕えた女房が着ていた。


現在でも、皇族の婚儀、即位礼などの祭事の時や、
一般の結婚式などでも着られている。


衣装は「肌着」、「小袖」、「長袴(打袴)」、
「単衣」、五枚の「袿(五衣)」、「打衣」、「表着」、
「唐衣」、「裳」で構成され、
その重さは約20キロほどあった。


平安時代の女性たちは、五枚着た「袿」の色のグラデーションで、センスや装束の美しさを競った。

その色の組み合わせを「かさね色目」といい、四季によってその色は異なる。

「かさね」には二種類あり、袿の上下に重ねることを「重ね」、
袷の表地と裏地の色の取り合わせによって透けて見える具合を「襲」と言う。

..............かなりややこしい。


また、この「女房装束」は男性の平常服である「直衣」にあたる装束で、
平安後期頃までは男性の正装である「束帯」にあたる「物具装束」が存在した。

それは女房装束に、「比礼(ひれ)」と言うスカーフ、「裙帯」と言うベルト、
宝冠という冠を被る、という旧時代の名残が見られるものだったが、
女性が公の場に出ること嫌った当時の風潮のためか、廃れてしまった。



[戻る]



©フォレストページ